自分で作った電子書籍・デジタルコンテンツの販売方法は?

個人あるいは(出版業でない)企業や団体が電子書籍を作った場合、どうしたら販売できるのだろうか。

街の書店に相当する電子書籍販売サイトは、日本最大といわれる電子書店パピレスを初めとして多数ある。しかし、これらの専門サイトの取り扱い商品は大抵出版社が出したものである。こうした電子書籍販売サイトに個人や一般企業などが作品を出品するのは簡単ではないだろう。

アマゾンの電子書籍販売、アップル(iBookStore)はまだ日本国内では開店していない。アマゾンやアップルが日本国内の著者を相手に開店するとセルフパブリッシングが現実的なものになるかもしれないが、今のところ、日本ではそこまで進んでいない。
 
そうすると、現在の時点では、次の二つの方法が考えられるだろう。
1.自費出版系の電子書籍販売サービスを利用する。
2.デジタルコンテンツの販売サービスを利用する。

自費出版系の電子書籍販売サービスは2010年に様々なWebサイトが登場した。代表的なものは次の通り。

(1)パブー(http://p.booklog.jp/
パブーには有償・無償を含め1万点以上が登録されている(2011年3月時点)。佐々木俊尚氏のようなプロのジャーナリストが書いた本も販売しており、現時点では最も充実しているように見える。ブログベースで本を制作する機能があり、一般の人は、ここで作った本を販売するようになっている。既に出来上がっている電子書籍の販売だけでもできるかどうかははっきり書かれていないようだ。販売収入の30%が手数料として取られる。

(2) WePublish(http://wepublish.jp/
このサイトでは本を制作するサービスを無料で提供している。本を印刷するサービスや販売するサービスはこのサイトで制作したものを対象としているようで、既に出来上がっている電子書籍の販売はできないという印象を受ける。

もうひとつの方法はデジタルコンテンツの販売サービスを利用することである。このようなサービスは幾つか見受けられるが、次のものがよさそうだ。

(1)DL market (http://www.dlmarket.jp/)
デジタルコンテンツの日本最大級のオープンマーケットを自称しており、個人でも法人でも出品できる。出品の初期費用、月額費用は無料で、手数料は1,000円未満の場合、販売価格の15%〜20%となっている。1ファイル300MBまでアップロード可能で
PDF保護機能があるのがありがたい。
DRMは2011年2月開始予定となっている。DRMを使うと手数料が25%と高くなるようだ。
なお、EPUBは保護できない。

(2)デジコンカート(http://haishin.tv/dccart/
これは、GMOデジタルコンテンツ流通株式会社が運用している「デジタルコンテン王」の簡易版である。デジタルコンテンツ王のメニューは、初期費用21万+月額固定6.3万円など、高価なサービスである。
デジコンカートは初期費用、月額費用ゼロ。ファイル容量1GBの制限がある。
このサービスは決済機能を提供するものでGMOのショッピングサイト「アイテムポスト」で販売したり自分のサイトやブログで販売できるようだ。いずれの場合も販売手数料25%がとられる。
コンテンツの保護はできない。

電子書籍ストアの比較表
http://twitpic.com/4zf4al
※主な電子書籍ストアの対応デバイスなど