印刷製本版の表紙とEPUBの表紙の対応関係

CAS-UB（クラウド型汎用書籍編集・制作サービス）は、(1)レイアウト指定のないコンテンツを制作、そこから(2)印刷用のPDFとEPUBを出力するサービスです。ひとつのコンテンツに異なるはスタイルシートでレイアウトを指定してPDFやEPUBを出力するコンテンツのマルチユースを実現します。

この時、いろいろと難しいことがありますが、その一つに表紙があります。

印刷・製本する書籍における表紙は、次のような種類があります。
a. 書籍を包む取り外しできるカバー（オプション）
b. 製本時の表紙（表１）
c. 背表紙（通常、厚紙）
d. 裏表紙（通常、厚紙）
c. 本扉

一方、EPUBには表紙があるのでしょうか？
まず、これが良くわかりません。
実際に配布されているEPUBを見ると、画像を表紙として使っているケースが多いようで、spineで先頭のページとして指定したXHTMLにimgタグで埋め込んだ画像（当然最初に表示される）のように見えます。つまり本文の先頭ページ（1頁）に画像を配置して、これを表紙らしく見せているようです。

このほか、iBooksではメタデータに、<meta name="cover" ... />として指定した画像を、本棚のアイコンとして表示したり、見開き表示のときに、目次の前に表示しています。しかし、この動作は標準として規定されているものなのだろうというと、たぶん、実装依存なので確実な動作として期待できないと思います。

印刷製本した書籍では本扉が目次の後ろに来ることはありません。EPUBでは本文と目次（NCX）の順序関係が規定されていないと思います。メタデータで指定した表紙（画像）と、spineで指定した先頭ページに埋め込んだ表紙画像のどちらが、本扉に相当するものなのかわかりません。

印刷製本の表１はEPUBのメタデータで指定した画像が相当しそうですが、恐らく本扉に相当するものをEPUBで表現することはできないように思います。

もう少しいろいろなパターンを作ると、困ったことに、このあたりの動作は、Adobe Digital Editions とiBooksで異なっているようなのです。

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