Office で作成した図版をSVGにして、Inkscapeで修正する。実用的に使えそう。
来月の国際電子出版エクスポでは、CAS-UBで制作した最初の書籍を、さらに内容を更新して第2版とし、それをPDFからBOD(Book on Demand)で製作し、展示即売することを計画しています。
これができるとハイブリッド出版の実用にぐっと近づきます。
すなわち、
原稿の大部分をMicrosoft Wordで執筆⇒CAS-UBで整理⇒PDFで電子販売⇒BODで見本版を作成⇒CAS-UBでさらに内容を改訂⇒第2版を製作、PDFからBODで販売する⇒EPUBを製作⇒EPUBを販売
というサイクルをスムーズにぐるぐるまわすことができます。
この本の図版はOfficeで制作してSVGに変換しているのですが、初版をBODで印刷してチェックしたところ、PDFを画面で見ていたときには気にならなかった問題がいろいろみつかりました。
画面では問題が気にならないのに、紙に印刷すると気になるのは、おそらく紙の方がかなり解像度が高いので、細かい点まで気がつきやすいということかと思います。そうすると印刷して校正するのはとても重要です。
そういったわけで今回は図版の方も修正しています。
著者の方で図版をOfficeで変更したものを用意してもらいEMF(Windowsの拡張メタファイル)で入手しました。EMFを「サーバベースコンバータ(SBC)」でSVGに変換したのですが、なかなか完全になりません。
EMFにした時点で、文字の並びが崩れてしまったり、フォント指定が変わってしまっているものもあります。さらに、SBCでSVGに変換したときに問題が出ているケースもあります。
それで今回は「Inkscape」を使ってSVGを直接編集することを試して見ました。それでびっくりしたのですが、InkskapeのSVG編集機能はなかなか高機能です。
今回は、SBCでEMFから変換して作成したSVGをInkscapeでレタッチ(主に文字やオブジェクトをぴったり整列させる)に使ったのですが、この作業はInkscapeで簡単にできます。
SVGを直接書き下ろすにも、Inkscapeが実用的に使えそうだという感触を持ちました。
Inkscapeで作成したSVGは、iPad(iBooksリーダ:EPUB)でも問題なく表示できます。
○サーバベースコンバータ(SBC)
http://www.antenna.co.jp/sbc/